AIの発達により、生成AIの活用が注目されています。
生成AIとは、与えられた条件やデータに基づいて、自然言語やプログラムコード、画像などのコンテンツを生成するAIシステムのことです。
生成AIの活用範囲は年々広がっており、ITパスポート試験でも生成AIに関する問題が出題されることが予想されます。
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生成AIとは
生成AIは、与えられたデータやルールに基づいて新しいコンテンツを生成することができるAIのことです。
生成AIを活用できる分野は多岐にわたり、具体例として下記のようなものが挙げられます。
- 自然言語処理
- プログラミング
- 画像生成
自然言語処理の分野では、文章の要約や質問応答、対話システムなどに利用されています。
また、プログラミングの分野では、与えられた要件に基づいてプログラムコードを生成することが可能。
さらに、画像生成分野でも、与えられた説明から画像を生成できる生成AIが登場しています。
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ITパスポートで出題される例題
ここからは、ITパスポート試験を実施している組織であるIPAが公開した、生成AIに関するITパスポートの試験問題をいくつか紹介し、解説をしていきます。
引用：ITパスポート試験 生成AIに関するサンプル問題（https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/t6hhco000000wyrz-att/ip_generativeai_sample.pdf）より。
問1 生成AIの特徴を踏まえて、システム開発に生成AIを活用する事例はどれか。
ア 開発環境から別の環境へのプログラムのリリースや定義済みのテストプログラムの実行、テスト結果の出力などの一連の処理を生成AIに自動実行させる。
イ システム要件を与えずに、GUI上の設定や簡易な数式を示すことによって、システム全体を生成AIに開発させる。
ウ 対象業務や出力形式などを自然言語で指示し、その指示に基づいてE-R図やシステムの処理フローなどの図を描画するコードを生成AIに出力させる。
エ プログラムが動作するのに必要な性能条件をクラウドサービス上で選択して、プログラムが動作する複数台のサーバを生成AIに構築させる。
正解はウです。
生成AIの特性を活かして、与えられた条件から図やコードを生成することができます。
この問題では、業務内容や出力形式の指示に応じて、E-R図やシステムフロー図を描画するコードを生成AIに出力させる活用方法が最も適切です。
アの選択肢は、開発やテストの自動化プロセスをAIに実行させるものですが、この問題では生成AIの特性を活かした活用例とはいえません。
イの選択肢は、与えられた要件からシステム全体を生成AIに開発させることを想定していますが、現状の生成AIにはシステム全体を完全に開発できるほどの能力はありません。
エの選択肢は、クラウド環境でサーバを構築することをAIに任せるものですが、これも生成AIの特性を活かした活用例とはいえません。
問2生成AIが、学習データの誤りや不足などによって、事実とは異なる情報や無関係な情報を、もっともらしい情報として生成する事象を指す用語として、最も適切なものはどれか。
ア アノテーション
イ ディープフェイク
ウ バイアス
エ ハルシネーション
正解はエ.ハルシネーションです。
ハルシネーションとは、生成AIが学習データに偏りや不足があることで、事実とかけ離れた出力をしてしまう現象を指します。
学習データに含まれる誤りや、カバーできていない領域があると、AIは適切な出力ができずに作り話を生成してしまうのです。
この問題を通して、生成AIの出力には一定の注意が必要であることが分かります。
生成AIは高度な性能を持つ一方で、学習データの影響を大きく受けるため、出力された情報の正確性を常に注意深く吟味する必要があります。
問3 AIにおける基盤モデルの特徴として、最も適切なものはどれか。
ア “AならばBである”といったルールを大量に学習しておき，それらのルールに基づいた演繹的な判断の結果を応答する。
イ 機械学習用の画像データに，何を表しているかを識別できるように“犬”や“猫”などの情報を注釈として付与した学習データを作成し，事前学習に用いる。
ウ 広範囲かつ大量のデータを事前学習しておき，その後の学習を通じて微調整を行うことによって，質問応答や画像識別など，幅広い用途に適応できる。
エ 大量のデータの中から，想定値より大きく外れている例外データだけを学習させることによって，予測の精度をさらに高めることができる。
正解はウ.広範囲かつ大量のデータを事前学習しておき、その後の学習を通じて微調整を行うことによって、質問応答や画像識別など、幅広い用途に適応できる。
です。
基盤モデルとは、大規模な一般的なデータセットで予め学習させておいたAIモデルのことを指します。
このモデルを、さまざまな特殊な用途に対して、さらに少量の学習データで転移学習を行うことで、高精度な特化モデルを生成できるのが特徴です。
アの選択肢は、ルールベースのAIを想定しており、基盤モデルの説明とはなっていません。
イの選択肢は、画像認識用のデータセットの作成方法を説明したものです。
エの選択肢は、外れ値を重視したアプローチですが、基盤モデルの特徴とはいえません。
このように、大量のジェネラルなデータで学習させた基盤モデルを活用し、用途に合わせて微調整を行うことで、幅広い分野への適用が可能になるのが最大の特徴です。
ITパスポート試験でも基盤モデルの理解が重要なポイントになると考えられます。
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まとめ
この記事では、IPAから公開された、生成AIに関するITパスポートの試験問題を紹介し、解説しました。
生成AIは図やコード、自然言語といった様々なコンテンツの生成に活用できることが重要なポイントです。
また、Chat-GPTをはじめとする生成AIが次々と登場していることから、今最もホットな分野とも言えます。
そのため、今後の出題でも、このような生成AIの特性を理解し、適切な活用方法を選ぶ力が問われることでしょう。
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