2009年、iPhoneでスポーツを追いかけるということ
App Storeが日本で始まったのは2008年7月。この記事が扱う2009年夏は、そこからまだ1年ほどしか経っていない時期です。スマートフォンでスポーツの経過を追う手段としては、ワンセグやモバイルサイトが主流で、専用アプリで一球ずつ試合を追うという体験は、まだ目新しいものでした。
そうした時期に、新聞社・スポーツデータ会社・アプリ開発会社の三者が組んで作られたのが『スポニチ プロ野球速報』です。
3社の連携
2009年8月25日、株式会社FEYNMAN(東京都渋谷区、代表取締役:八尾憲輔)は、株式会社スポーツニッポン新聞社、データスタジアム株式会社と連携し、iPhone/iPod touch向けアプリ**『スポニチ プロ野球速報 無料版』**の配布を開始したことを発表しました。
各社の位置づけは、当時の資料で確認できる範囲では次の通りです。
| 社名 | 当時の説明 |
|---|---|
| 株式会社FEYNMAN | アップル社のiPhone向けアプリケーションを専門に開発・販売 |
| 株式会社スポーツニッポン新聞社 | 1949年設立のスポーツ紙。プロ野球ニュースを配信 |
| データスタジアム株式会社 | 野球・サッカーなどの詳細データを記録・分析し各メディアへ提供するスポーツ・コンテンツ・プロバイダー |
有料の通常版は、それに先立つ2009年4月に600円で配信が開始されており、セ・リーグ/パ・リーグ公式戦の全試合情報をリアルタイムで配信するアプリとして、App Storeのスポーツカテゴリで上位に入る人気タイトルになっていました。無料版は、そのアプリをより多くの人に気軽に体験してもらう目的で公開されたものです。
無料版の機能
無料版で利用できたのは、当日行われている試合のうち、あらかじめ指定された1試合の速報情報でした。その1試合については、以下の情報が表示されました。
- 一球ごとの投球コース、球種、球速
- 試合中のラインナップ、守備位置、ランナー情報
- 試合経過のサマリー(テキスト情報)
一球ごとの球種や球速まで出るというのは、当時の携帯向け速報サービスと比べても踏み込んだ内容で、テレビ中継とは別の角度から試合を追える体験として受け止められていました。
通常版との違い
無料版には、通常版と比較して次の機能制限が設けられていました。
| 項目 | 無料版 | 通常版 |
|---|---|---|
| 速報を閲覧できる試合 | 指定された1試合のみ | 全試合 |
| 過去の試合情報 | 閲覧不可 | 閲覧可能 |
| 順位表 | 閲覧不可 | 最新の順位表を閲覧可能 |
無料版の概要(発表時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応機種 | iPhone/iPod touch |
| 言語 | 日本語 |
| 発売日 | 2009年8月22日 |
| 料金 | 無料 |
| 試合速報対象期間 | 2009年7月26日〜2009年10月15日 |
| 試合速報対象試合 | セ・リーグ/パ・リーグ公式戦 |
速報の対象期間がシーズンに合わせて区切られているのは、当時の同種アプリに共通する設計でした。有料の通常版も、初期バージョンでは2009年4月16日〜7月26日という対象期間が設定されていました。
なお、リリース時点では今後の展望として、スポーツニッポンが配信するプロ野球ニュースや、データスタジアムが配信する各チーム・選手の詳細データなど、アプリ内での相互のコンテンツサービスを拡充していく方針が示されていました。
当時の外部報道・プレスリリース
- DreamNews「FEYNMAN(ファインマン)、iPhone及びiPod touch向けプロ野球情報速報アプリ『スポニチ プロ野球速報』の無料版配布開始」(2009年8月25日 11:00配信)
- BB Watch「1試合の速報を流すiPhoneアプリ『スポニチ プロ野球速報』無料版」
- ケータイ Watch「iPhone向け『スポニチ プロ野球速報』の無料版が登場」
- AppBank(2009年8月25日付、同件を紹介した記事)
- ASCII.jp「野球ファン必携 iPhone『スポニチ プロ野球速報』」(有料版について)
各記事の本文は各媒体の著作物です。本ページでは事実関係のみを要約しています。
現在の提供状況について
『スポニチ プロ野球速報』および同無料版は、現在提供されていません。 当時のApp Storeリンクが外部サイトに残っている場合がありますが、それらは2009年当時のリンクであり、現在ダウンロードできることを意味しません。本文中の価格・対応機種・対象期間はすべて発表当時のものです。
旧FEYNMANと現在の運営者について
本アプリを開発したのは、2008年7月に設立された株式会社FEYNMAN(東京都渋谷区)です。同社は当時、嘘発見器アプリ「True or Lie」、耳年齢測定アプリ「Ear Age」、絵文字メーラー「Yuriko」、待ち合わせアプリ「イマココ(imacoco)」なども開発していました。
現在このドメインを運営しているファインマン・システム株式会社(2019年9月設立、東京都千代田区)は別法人です。本ページは当時の公開情報を歴史的記録として保存する目的で掲載しているもので、現運営者とスポーツニッポン新聞社・データスタジアム両社との間に、現在提携関係があることを示すものではありません。

