ITパスポートを楽しく学ぶ

ITパスポートで出題されるパレート図とは?どんな問題がでる?

ITパスポート試験の用語解説

ITパスポート試験で出題されるパレート図。

名前は聞いたことがあるけど、どんな図かよくわからないという方もいるのでは?

パレート図は業務改善やプロジェクト管理など、様々な場面で活用される重要なツール。

一見シンプルなグラフが、どのようにして業務改善やプロジェクト管理を劇的に変えるのかを徹底解説します。

本記事では、パレート図の基礎から実際の試験問題、実務での活かし方まで、一緒に学んでいきましょう。

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パレート図とは

パレート図は、複数の要因を棒グラフで視覚化し、上位の要因に注目するための手法。

20%の要因が80%の結果を生む「パレート法則」に基づき、グラフの棒を大きい順に左から並べることで、重要な要因を簡単に特定できます。

例えば、品質問題の原因を分析する際、パレート図を用いると、最も大きな要因に集中して対策を立てられます。

このように、限られたリソースを最も効果的な対策に注力するのに役立ちます。

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ITパスポート試験でのパレート図の出題例

ここからは、ITパスポート試験を実施している組織であるIPAが公開した、パレート図に関するITパスポートの試験問題を紹介、解説します。

ITパスポート試験 平成26年春期 問14

ABC分析で使用する図として、適切なものはどれか。

ア.管理図

イ.散布図

ウ.特性要因図

エ.パレート図

この問題は、ABC分析で使用する図を問う問題です。

ABC分析とは、在庫管理や原価管理などで使われる手法で、対象物を重要度に応じてA(最重要)、B(中程度)、C(低重要)の3つのグループに分類するもの。

この分類を行う際に使用する図として最も適切なのは、選択肢の「エ.パレート図」です。

パレート図は、縦軸に対象物の大きさ(重要度)を、横軸に対象物の種類を取り、大きさの順に並べた棒グラフです。

積み上げ線グラフを重ねることで、累積の割合も確認できます。

このようにパレート図は、対象物の大小関係を一目で把握できるため、ABC分析で重要度の高い対象物を判別するのに最適な図となります。

一方で、他の選択肢は以下の理由から不適切です。

  • ア.管理図:工程の安定性を判断するための図
  • イ.散布図:2つの数値データの相関関係を示す図
  • ウ.特性要因図:品質に影響を与える要因を系統的に整理する図

ABC分析ではあくまで対象物の重要度を分類することが目的なので、パレート図が最も適した図となります。

ITパスポート試験 平成31年度春期 問41

システムのテスト中に発見したバグを、原因別に集計して発生頻度の高い順に並べ、累積曲線を入れた図表はどれか。

ア.散布図

イ.特性要因図

ウ.パレート図

エ.ヒストグラム

この問題では、システムのテスト中に発見されたバグを原因別に集計し、発生頻度の高い順に並べ、累積曲線を入れた図表を選ぶことが求められています。

ア:散布図は、2つの変数の関係を点で表した図。

原因別のバグ発生頻度を表すには適していません。

イ:特性要因図は、ある品質特性に影響する要因を階層構造で表した図。

バグ発生原因の集計には適していません。

ウ:パレート図は、発生頻度の高い順に並べた棒グラフと、累積曲線を組み合わせた図表。

この問題の内容にぴったり合っています。

エ:ヒストグラムは、データの分布状況を表す棒グラフ。

原因別の発生頻度を示すには適していません。

したがって、正解はウのパレート図です。

パレート図の読み方・作り方

パレート図を正しく読み取るには、以下のポイントを確認します。

  • 横軸:要因を示す(原因、業務プロセスなど)
  • 縦軸:要因の大きさを示す(発生件数、コストなど)
  • 積み上げ線グラフ:要因の累積値を示す

作成手順は以下のとおりです。

  1. 要因とその大きさ(数値)を洗い出す
  2. 要因を大きい順に並べ替える
  3. 横軸に要因、縦軸に大きさをとり、棒グラフを作成
  4. 積み上げ線グラフを追加する

Excel、Python、Rなどのツールを使えば、手軽にパレート図を作成できます。

パレート図の活用例

  • 品質管理:不具合の原因を特定し、対策の優先順位をつける
  • 業務改善:作業工程の無駄を洗い出し、改善ポイントを見つける
  • プロジェクト管理:リスクの大きさを評価し、重要なリスクから対策を立てる

このように、問題の芯を見つけ出し、対策を立案する際に有効活用できます。

一方で、要因を過度に単純化してしまう危険性もあり、適切な使い分けが必要です。

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まとめ

  • パレート図の定義:パレート図は棒グラフで複数の要因を視覚化し、上位の要因に注目するためのグラフィカルな手法
  • パレート法則の活用:「20%の要因が80%の結果を生む」というパレート法則に基づいており、重要な要因を容易に特定できる
  • ITパスポート試験の出題例:ITパスポート試験では、パレート図を用いてABC分析などの管理手法で物の重要度を分類する問題が出題される
  • パレート図の作成手順:要因とその数値を洗い出し、大きい順に並べて棒グラフを作成し、積み上げ線グラフを追加する
  • 実務での活用:品質管理、業務改善、プロジェクト管理など、限られたリソースで効果的な対策を立てるためにパレート図が使用される

パレート図は、ITの現場で広く活用されているグラフです。

ITパスポート試験では、グラフの読み取りや適用場面が出題されることがあるので、基本的な知識とともに、作成手順と活用方法をしっかり理解しておきましょう。

限られたリソースから最大の効果を生み出すためのツールとして、パレート図の力を実務で存分に発揮できるようになりましょう。

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