さて、次は色塗り作業に入っていきましょう。
色を塗るといっても色塗り方法は人によっても変わりますし、かなり多くの色塗り方法があります。
今回は比較的簡単な色塗り方法である、『アニメ塗り風』での色塗り方法をお伝えします。
アニメ塗りとは、陰影の境界線がはっきりしている塗り方のことです。
アニメーション作品で使用される色塗り方法に近いため、「アニメ塗り」と呼ばれるようになりました。
前回はこちら。
作業動画はこちら。
まずは全体的に下塗りしてみよう
『色を塗る』時にまず行うべき作業はなんだと思いますか?
うーん…
全体的に下地の色を塗っていく作業かな?
正解です。
まずは全体的に下塗り作業をしていきましょう。
やり方は色々あるのでここから解説していきますね。
下塗りとは?
下塗り作業とは、本格的に色塗り作業に入る前にパーツごとに単色で塗りつぶす作業です。
この作業はイラストの形や輪郭を定める役割を担っています。
また、後の工程での細部の描き込みや修正がスムーズに行えます。
この段階で均一な色で各パーツの範囲を塗りつぶしておくことで、後の工程での色の変動やムラを防ぐことができます。
丁寧に下塗りを行い、イラストの完成度を高め、視覚的な魅力や表現力をより向上させましょう。
バケツツールを使って簡単に下塗りしていこう
ここから実際にツールを使いながら下塗りしていきましょう。
『肌』『髪』『服1』『服2』と色ごとにパーツ分けして色塗りをすると便利です。
パーツ分けした分レイヤーの枚数が増えていくため、レイヤーごとに名前をつけておくと良いでしょう。
名前をつけておくことで、影を塗るときや後から見返すときに混乱せずに作業ができます。
また、ベタ塗りをするときは、『バケツツール』の使用がおすすめです。
バケツツールを使うことで時間を短縮しながら塗ることができます。
バケツツールで大幅な範囲を塗りつぶし、塗りきれなかった細かいところをペンツールで丁寧に塗っていきましょう。
新規レイヤーをだして背景用のレイヤーとして使いましょう。
目立つ色(濃い青など)をバケツツールで塗っておくだけ。
背景色を青や赤等の目立つ色で塗りつぶしておくことで、塗り残しを見つけることが出来ます。
描きたいイラストに使っていない色にしておくと見逃さないのでおすすめです。
塗り残し部分があった時は背景色が透けて見えます。
ここで透けて見えるということは完成後もゲームの背景が透けて見えてしまうと言うこと…。
今のうちに確認して塗り残しのないように気をつけておきましょう。
簡単な影を入れていこう
下塗り作業が終わればいよいよイラストに影を塗っていきましょう。
ここからどんどん完成の姿が見えてきます。
上手く影をつけてイラストのクオリティをあげていきましょう。
クリッピングを使いこなそう
クリッピングって何?
クリッピングはパーツの範囲内のみを塗りたい時に便利なツールです。
デジタルならではの機能を使いこなして立ち絵のクオリティを上げていきましょう。
影を塗る時は『クリッピング』機能を使って塗っていきましょう。
《クリッピングの手順》
- 影を塗りたいパーツの下塗りレイヤーの1つ上に新規レイヤーを作成
- 新規レイヤーを選択した状態で「クリッピング」にチェックを入れる
- 新規レイヤーの方が1段ズレて、パーツレイヤーに向かって矢印がつけばクリッピング完了
クリッピングしたらパーツの外側に塗った線がはみ出さなくなるので、はみ出した部分を修正していく手間が省けます。
何枚でもクリッピングで重ねることができるので、安心してレイヤーをどんどん分けてください。
影の入れ方のコツ
影の入れ方にコツはあるの?
そうですね。いくつかあるので、ここからは影入れのコツを紹介していきましょう。
影を入れる時はただ暗い色を塗り重ねれば良いという訳ではありません。
色の選択によってはくすんでしまう原因となります。
肌の色からカラーサークル※の下方向に移動させた色を塗ればいい感じになりそうだよね!
下塗りのカラーに黒を混ぜた感じの色を選ぶとくすんだ印象を持たせてしまう原因となってしまいます…。
そんなぁ…。じゃあどうしたらいいの?
影を選ぶ時はベースカラーから斜め右下辺りの色がおすすめです。
色味を変えてあげることで鮮やかさを保った状態で影を塗ることが出来ます。
斜め右下を選ぶことも難しいという方はレイヤーの状態を乗算に変更すると思い切り影の色をミスしなければいい感じに色がのるのでおすすめです。
斜め右下といっても幅広いですよね。
それぞれのパーツによって濃さが変わらないよう考えながら塗ってあげるとより一体感が出ます。
立ち絵に影を入れていこう
ここからは実際に立ち絵に影を入れていきましょう。
まずは広い範囲の影を塗っていきます。
ペンはGペンや丸ペン、ペンなど線のはっきりしたものを使うとアニメ塗りらしくなります。
最初の影の色は暗すぎないものを選んでくださいね。
次に狭い範囲(より影が落ちるところ)の塗り込みを行います。
こちらも線のはっきりしたペンやGペン、丸ペンを使いましょう。
影2は影1より濃い色を使いましょう。
影1より狭い範囲(本当に濃く影が落ちるところ)に入れていくことで立体感を出すことができます。
影1と影2はレイヤーを分けておくと修正しやすいです。
また、影を塗り込む際は予め光源を決めておくとスムーズに塗ることができます。
立ち絵にハイライトを描き加えよう
表情差分の色を塗ろう
最後に表情差分の色を塗ります。
瞳や口元を塗るだけでなく、瞳周辺の影や鼻先の影も塗り込んでいきましょう。
まとめ
- 色塗りの際はパーツごとに分けてバケツツールを使って色を塗ろう
- 影を塗る時はクリッピング機能を使用して塗り込みしよう
- 影を塗る時は広い範囲に落ちる影とより暗いところに落ちる影に分けて塗ると立体感アップ
色を塗り終わったことで立ち絵自体は完成です。
お疲れ様でした!
やったー!私も立ち絵を作り上げることが出来たよ!
これを上書き保存してゲームに読み込ませれば立ち絵になるのかな?
今の状態で別のソフトで読み込んでも上手く画像を表示させることは出来ません。
次は書き出し形式について詳しく見ていきましょう。
第6回はこちら。
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